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2024.1.19 07:00ゴー宣道場

脳は”思い込む”もの

いきなりですが、みなさんは自分の判断に自信がありますか?
僕は推敲に関してまったく自信ありません。このGJブログは毎回平均して5、6時間はかけていますが、誤字がなくならないのです。何回も何回も読み返しているのですが。
「論理を実践することの大事さと難しさ」の回でも「アプトプット少なくして成功なし 」と書いてしまっています。「アウトプット」でしょう・・・。オレンジ色にした大事な部分で誤字ってるんだから世話ないです。

読まれた方は「なんでこんな誤字を見逃したんだ?」と思われるかも知れませんが、わざとやっているのではもちろんなく、脳が問題ないと判断してしまっているのです。
たとえばタイポグリセミア現象というものがあります。

それはこのように たんごの さしいょと さいごが あってれいば なかのじんゅばんが いわれかっても だたしくよてめしまう げしんょうのことです。

なぜこのようなことが起きるかというと、人間は視覚で情報を受け取りつつ、文脈を判断して、意味を脳内で解釈して補間しているからで、良く言えば脳のスゴさであり、悪く言えば単なる思い込みです。
実際、機械なら「読めません」とエラーを吐き出して終わりで、文意を解釈なんてしてくれません。

脳の思い込みといえば、2021年に歩きスマホをしていて踏切で事故に遭い亡くなられた方がいました。

踏切で“待っていた”だけなのに…死亡事故はなぜ起きたのか | NHK | WEB特集 | 事故
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210908/k10013247061000.html
スマホを見ながら、踏切の内側で遮断器が上がるのを待っていて、列車にはねられてしまったとのことです。
「んなアホな!」と思うかもしれませんが、僕はこの現象は理解できます。没頭すると周りが見えなくなる感覚に陥ることはありますし、そうした中で遮断器を目の端に捉えて「ここで待とう」と散漫なまま判断してしまったのでしょう。

人間は意外と不注意なのです。

やや余談ですが、よく言われる「加齢で記憶力が衰える」という話も、脳科学的には誤りだそうです。
こちらの本によると↓
のうだま2 記憶力が年齢とともに衰えるなんてウソ!
https://amzn.asia/d/f511sww
アルツハイマーなどの認知症は疾患なので別としても、基本的に興味や好奇心を持てばいくつになっても記憶はできるもので、逆に言えば好奇心が働かず、人生に慣れてしまっているから記憶しにくくなっているだけとのことです。
若くして化石脳になっている人がいる理由が見えてきますね。
あと脳は入力時(読む、聞く)よりも、出力時(書く、話す)のほうが、「これは大切な情報だ」と判断するために、記憶しやすいそうです。
こちらは、人は孤立して会話をしないとおかしくなっていきがちという介護士さんに聞いた話を連想させます。

以上のように、脳は良くも悪くも案外いい加減なところがあります。
事実、人は今もコロナをものすごく多くの人が死んだ恐ろしい病気と思い込んでいますし、
医者とテレビは「正義」のもとにマスクやワクチンを勧めまくりましたし、
ワクチンを受けた人は効いたから助かったと今も思い込んでいますし、
ジャニー喜多川が外道だったと思い込んでいますし、
ブラジルの勝ち組は日本が勝ったと思い込んでいましたし、
(一部のおかしな人たちは)皇統はずっと男系だったと思い込んでいます。
前半はマスコミがやったことですが、後半は狭い範囲の中だけで起きたことです。国ごと狂ってしまうのはほとんどはマスコミがやらかすのですが、情報が開かれている状況での小規模な集団でも認知の歪みは起こり得ます。
カギになるのは「自分に都合のいい情報に飛びつく」かと思います。この「都合」というのは、憎悪に燃えているときなども含まれます。

ちなみに当初ネットでは、ジャニーズは叩かれまくったのに、松本人志は擁護する声が多かったわけですが、これも自己都合優先ということで説明できます。
ネット民の男はジャニーズに対しては興味がなく、なんならイケメンや成功者に対する嫉妬や憎悪もあったから叩く側に回り、逆に松本人志は好きだったということでしょう。
その人たちも今は「セカンドレイプだ」の脅しの前に黙ってしまったみたいですが、それもやっぱり自己都合を優先をしてるだけですね。

そんなジャニーズキャンセルでは渦中の木村拓哉が主演をつとめているゲーム『ジャッジアイズ』(2018年12月発売)で、キムタクが演じる八神隆之にこういう台詞があります。
「人がいちばん残酷になるのは、自分に正義があると思っているときだ。
 でもあんたのそれは……本当に正義か?」

 

 

※他のゲーオタのことは知らないが、このゲームのファンとしてキムタクをキャンセルするのは許せん!

人は正義の元でこそ暴走するのだから、自己の認識や正義だと思っているものは、事実なのか、正当なのか、その都度点検、反省、総括をしなければいけません。
点検を怠ったまま「正義」を盲信している人は多いわけですが、そういう人は少し批判されただけでもヒステリックに攻撃的になったりします。それはその人自身が本当に心からは信じていないことの表れでしょう。まあほとんどの人はそれでも考えを改めることなく、真実から目を背けたまま死んでいくのですが。
そんな偽善の世の中であれば、むしろ「自分は悪でいい」と構えたほうが正しいことを成せますし、正義大好き大衆へのカウンターにもなります。
さらに言えば、私的な感情の発露になりがちな正義なんかよりも、公のため、国のためになっているかというほうが遥かに重要です。

また、「思い込みは危ない」という話だけに集束してしまうと、歴史感覚の反映としての偏見もだめということになってしまいますが、これについては、小林よしのりライジング Vol.487「偏見は大事である」にある通り、「従うべきなのは先人たちの知恵を内包して、一定の合理性を伴った偏見 」「内側に理性を含ませながら偏見を維持する」 が肝要だと思います。

まとめると、人間は「見たいものしか見ない」「信じたいものしか信じない」となりがちだし、正義と思うほど暴走しますが、それを放置したままでは議論も論理も真実も必要なくなってしまいます。実際、独裁国家なら必要ありません。
そして国民が問題を問題と認識していないのなら、国にとって重要なことであっても、民主主義として「何もしない」になってしまっているのが現状です。
その認知の歪みの果てにあるのは、踏切の内側でぼーっと待って、いつか列車が来てはねられてしまうという現実でしょう。いくら「正義」を強固に信じていようが関係ありません。
まして国ごと踏切の内側に追いやろうとする人たちがいるなら、「やめろ!」と言うのが、保守や国を想う人のすべき事であり、動的平衡であり、本当の正義というものでしょう。国や皇室を含むのだから大義と言ったほうがいいかもしれません。

ということで、2月11日(土)開催の「ゴー宣DOJO」 にて、言葉の入力と出力で自分の考えを確認しつつ、日本は今何をすべきかを議論していきましょう。

 

 


 

 

【トッキーコメント】
私も自慢じゃないけどゲラのチェックでしつこいほど見たはずなのに、それでも誤植を見逃したということなど何度もありますから(本当に何の自慢にもならん)、よくわかる話です。

一方よしりん先生を見てると、過去のことは片っ端から忘れているようでいて、実は覚えていることはものすごく詳細に覚えていたりするので、やはり脳は無意識のうちに覚えておくことと忘れることを仕分けているんだなと思ったりもします。

いずれにせよ、脳は案外いい加減ということを自覚しておくのは大切なのだと認識させられました。

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